主婦の料理、シェフの料理

昨日、新聞で目にしたコラムにこんな一説がありました。

コラムの著者が、何かの小説で読んだエピソードなんですが、料理ができるご主人がスクランブルエッグを作ったら塩辛くなってしまった。
ご主人はそのスクランブルエッグを捨てようとするのですが、奥さんがそれを止めて、お湯を沸かし、少なめの調味料と玉子を入れてスープにした、と。
そして「これが主婦の料理だ、男性の趣味とは違う」と。

そうなんですよね、主婦の料理ってそういう部分あります(笑)
主婦じゃなくても、お菓子作りを失敗したのを修正してできた「タルト・タタン」なんて料理もありますが、その料理の「出来」にこだわるなら、失敗作は捨てざるを得ない。

毎日の家庭料理で失敗したら捨てるなんて、そんなことしてたら、やってられないですよね。
失敗は失敗としてそういう修正をするか、または「ごめんね~失敗しちゃった」と笑って食べるか、ですね。
ちなみに私もよくあります(笑)

さて、ちょっと話は変わりますが、これもまた少し前になりますが、ネットで、あるご主人が、

「妻が記念日に2人で8万円のコース料理を食べたいと言うが、自分はもったいないと思うので行きたくない、行くことにはしたが、本心はそれぐらい出すなら旅行の方がいい」

と、他の方に意見を求めているのも目にしました。

2人で8万円、1人4万円の外食!
うわ、やっぱり高いですよね。
私でもやっぱりちょっと考えてしまうと思います。
いや、ちょっとじゃないな、めちゃめちゃ考える、思いっきり考える、というか行きたいと思えるかどうかも分からない。
それだけあったら1ヵ月の食費になる・・・

でも、この奥様の気持ちもよーく分かるんですよね。
日々、そういう料理、失敗した卵をスープにするような生活をしているからこそ、日常だからこそ、何かの記念日にはそういう「ハレの日」の料理を食べて、プロのシェフの料理でもてなされたい、そういうことですよね。

「後に残るものもないのに、たかだか2時間ぐらいでご飯を食べるのに8万円使いたくない」

そうおっしゃるご主人の気持ちもよーく分かります。
でも、その2時間、人生の中でかけがえのない思い出になるなら、それから一生「そう言えばあの時食べたあの料理、おいしかったよね」と思い出して満足できるなら、それはそれでもったいなくはないのかな、とも思います。
第一、毎月そういうの食べてるわけじゃなく、何かの記念、それこそ一生に一回かも知れない。
もしも、経済的にそういう余裕があるのなら、決して悪い出費じゃない気がします。

そういう時に、いくらおいしい、好きだと思っても、「主婦の料理」に8万円は、出せない、ですよね~(笑)
いつものテーブルの上にいつもの食器、場合によってはちょーっと欠けてたりするのもあったりして、盛り付けもいつものように、どーんと盛りつけてある。
家庭的で、温かくてほっとする空間ではあっても、やっぱり出せないですよ、8万円。

プロの「シェフの料理」だからこそ、お店の雰囲気、サービス、食器やらお花なんかの飾り付け、音楽、そういうすべてを含めての「おもてなし」だからこそ、出してもいい、と思えるんでしょう。

主婦にシェフを求めるのは違うし、シェフに主婦を求めるのも違う。
ケース・バイ・ケース、どっちも楽しめる人間が一番得だな~とか考えてました。

そして私は今日も「主婦の料理」です。
昨日の残りの「ベラの唐揚げ」と「鶏の唐揚げ」をどうやって温めて食べようか、そう考えてます(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)