私は中学を卒業するまで須磨に住んでいました。
その頃、多分もう中学生になっていた頃、父親が、
「社会の見学のために」
と、北区の田んぼを見に連れて行ってくれたことがありました。
妹と2人で、
「本物の田んぼ初めて見る」
と、大喜びしたのを覚えています。
その後、父親が会社をやめて店をやることになり、今の場所に引っ越してきたら、家の周囲が田んぼだらけ(笑)
「あの時の感動はなんだったのか・・・」
と、しばし呆然としたのを覚えています。
えらいいなかに引っ越してしまったなあ、とも思いました。
それから年月が経つと、県道をコンバインとかが走ってるのも平気になり、高校の時には毎日田んぼの横を自転車で走って通学し、大学に入った後はバイクや車で田んぼの中を通り抜けて通学するようになり、すっかり慣れてしまいました。
もう少し時期を逸してしまいましたが、私が一番好きな時期というのがあります。
もうちょっと苗の背が低い時期、お天気のいい日に田んぼの横を自転車やバイクで走り抜けると、空が映った水面が、走るのに合わせてさーっと銀色の線のように移動するのがとても好きです。
ほんの短い時期だけですが、そんな時にその風景を見ると、今もうれしくなります。
以前は田んぼだったところも今では家や店が建ったりしてかなり減ってしまいましたが、今でもまだあっちこっちにあります。
今日は父親を散髪に送り迎えして、ついでにちょっと買い物して、その時に田んぼの横を通って結構育った苗を見てきました。
このまま台風やその他の災害が来ず、あの苗達がどっしりと頭を下げてくれますように。