ちちよちちよ

この5月にちょっとばかりケガをしまして、しばらく入院することとなりました。

入院中、それから退院後、今もまだちょっと無理できない状態で、実家の植木達をほったらかすことになり、高齢の父一人では世話しきれず、いくつか枯らしてしまうこととなりました。

ごめんなさいと思いながらもどうしようもなく、もう枯れてしまったのは諦めるしかなかったんですが、一つだけ、別に気にかかってる子がおりました。

もうずっと前に、おやつに食べた柿の種を植えておいたらそこそこ大きな木になったんですが、生えてきたまま放置してたので実も成らず、毎年枝葉ばかり余計に伸ばす柿の木があります。
毎年あまり長くならないうちに剪定をしてたんですが、今年はどうしようもなくて、枯れるのと同じぐらい、もしかしたらそれ以上に気になってました。

やっと実家の植木を見に行けるようになったら思いもかけない状態に・・・

入院するちょっと前、ミノムシを3匹見つけてました。

私は実はミノムシが結構好きなんです。
枕草子に「ミノムシは鬼の子、捨てられた親を思って秋になるとちちよちちよと鳴く」とあるのです。

実際のミノムシは鳴かないそうですが、それを知って以来、なんとなくミノムシに同情すると言うか、「あはれ」を感じるようになりました。

その、元は3匹だったミノムシが、たくさん増えて柿の木を勝手に剪定してくれておりました。

食い散らかされてるというのが正しいのかも知れませんが、本当なら生い茂り、秋になったらたくさんの葉を散らすのが、写真のように枝は丸裸、そこにミノムシ達が自分達こそ葉っぱのような顔をして並んでます。

今はミノムシがすっかり減ってしまったそうで、ここ数年はあまり見る機会もなくさびしく思っていたんですが、思わぬミノムシの豊作となってしまいました。

葉っぱに近寄ってみると、ものさしのメモリぐらいのミノムシの子供・・・ミノムシ自身が「オオミノガ」の幼虫だそうで子供と言うのもおかしいのですが、まあ子供のようなチビミノムシがいっぱいついてます。

このままほっておいたら困ることになるのかしら?
そうは思うんですが、今年は代わりに葉っぱを刈ってくれたので、しばらくはマンションにしておいてあげようかな。

私の代わりに「父よ父よ」と父親を見守ってくれていたようにも思えてなりませんしね。

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