秋のお彼岸の頃になると、タイトルにある「曼珠沙華」があちらこちらで見られるようになります。
別名「彼岸花」の通り、時期が来るんですね。
実は、私はこの「曼珠沙華」がちょっと苦手です。
畑の土手やそのへんからいきなり赤い花がにゅっと伸びてるのを見ると、少しドキッとします。
どうしてかなと考えると、どうも「横溝正史の世界」っぽいイメージが苦手みたいです。
うちのご近所にはありませんが、なんか村外れのお地蔵さんやお墓の周囲にぼおっと咲いてて、そのあたりから印象の薄い女性見えて、みたいな。
お化けと混ざってる気もしますが、なんとなくその感じが怖いのです。
そして名前も怖い。
曼珠沙華
この字がすでに怖い。
そしてもう一つの名前も。
彼岸花
怖くないですか?
私だけ?
見た目がいきなり茎が伸びてあまり明るくない赤い花が、それも細いのが何本も伸びて怖いのに、名前もなんだか怖い。
調べてみたらさらに別名がありました。
・地獄花
・幽霊花
・死人花
・狐花
・・・・・・
やっぱり怖い名前がいっぱい!
さらに、
「根っ子と花に毒がある」
と聞いて、もっと怖くなりました。
畑の周囲に植えてあったりするのは、根っ子の毒でモグラ避けの意味もあるらしいので、人間の役に立ってるんだなあ、とは思いますが、やっぱりちょっと怖い。
英語でなんて言うか知ったら怖くなくなるかもと思ったら、英語だと、
「リコリス」
って、あれ?ハーブ?
だったらあまり怖くないかもと思ったら、いわゆる「リコリス」は「甘草」で同じではんないんですね。
こっちのリコリスちゃんは食べると害になるらしく、やっぱり好きになる要素にはなりませんでした。
それが、
「これは怖くないかも」
という曼珠沙華に出会いました。
先日行った病院の花壇、そこにも生えてたんですが、その曼珠沙華が白かったんです。
横を通りかかった時もすぐには気づきませんでした。
だって白いんだもの。
少しクリームがかったような、見ようによっては花嫁さんのベールのようなその姿には怖さを感じませんでした。
ということは、私が曼珠沙華に感じる怖さって色に起因する部分が大きいのかも知れませんね。
他にも毒のある花もあるだろうし、世界に一つだけの花じゃないけど、人を怖がらわせようとして咲いてるわけではないし、逆に役に立ってる部分もあるのに、なんでかこれだけは苦手だったんですが、白いのを見てちょっとだけ意識を変えてみようかなと思いました。
秋はこれから冬を迎えるのに日が短くなったりしてさびしくなる季節。
そのさびしい気持ちと一緒になって怖い花が強調されてたように思います。
さびしい季節に赤を添えてくれる花、って思えるようになったらいいな。
一生懸命咲いてるんですもんね。