過ぎると忘れる

日曜日に法事で大阪のに行ったんですが、その時にちょっとしたショックを受けたことがあります。

行きの車の中で話をしてる時、高松の叔父さんが、法事をするいとこの家のあるマンションの話題になった時、

「あそこも地震で大変やったな」

みたいなことを言ったんです。

私の頭に浮かんだのは、阪神淡路の時、エレベーターが止まってしまい、当時もうそんなに若くなかった伯父さんが階段を歩いて水を運んだという話でした。

「あの時は大変やったみたいやねえ、おじちゃん、給水車が来たら何回も上がりおりした言うてたなあ」

と言ったら、

「いつの話をしどんや」

と言われてとまどいました。

高松の叔父さんが言ってたのは、昨年大阪のあたりであった地震のことでした。

「そういえばそんなこともあったような・・・」

ありましたよね、確かに。
でも私はすっかり忘れてしまってました。
あの時は「おにいちゃん(いとこのこと)大丈夫かなあ」とか言ってたのにすっかり忘れてた。
そのことがショックでした。

阪神淡路は大きかったし、自分も体験してるので忘れません。
東日本は体験してないけどやっぱりあれぐらいになると忘れない。
その他にも色んな天災で忘れないのはあります。

それなのに、昨年のことなのにもう忘れてた。
人間って本当に勝手なもんだなあ、とちょっとショックでした。

訪ねたいとこの家は、見た目はほとんど変わってなかったんですが、やっぱり色々と壊れたりしたみたいです。

「大きなお盆がほとんど壊れて」

って小さいお盆をいくつか使ってましたし、そのうちの一つは割れてました。

「タンスとかも動いたままで戻せてない」

とも言ってました。

いとこは一人暮らしなので、なかなか全部元通りとはいかないようです。

そりゃそうですね、うちだってそのままでなんとかなるところは、もう地震から20年以上経つのにそのままの部分があります。

自分の痛みじゃないとすぐ忘れてしまうんだなあ。
全部覚えておけるわけはないし、その必要もないと思うけど、親しい人がごく最近経験したことをころっと忘れてしまってたこと、それがやっぱりちょっとショックでした。