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もう一つの「南の哀愁」 ~ひよこの聞き語り(35)

うちの母方の女連中、一度は宝塚歌劇の洗礼を受けます(笑)

私も小学校から高校まで、毎月のように全部の公演を観に行ってました。
母と妹と3人だったり、いとこと妹と3人だったり妹と2人だったり。
連れは色々ですが、本当に好きだったなあ。

今は、時々思い出したように行ってます。
一度見ると「また行きたいなあ」と思うんですが、今は、毎公演行くほど、ではありませんね。
好きなんですが、きりがない(笑)

母もやはり子供の頃から宝塚をずっと観て育ってきてるんですが、戦後、まだ広島にいる頃に、多分祖父からでしょうね、再開した宝塚のプログラムを送ってもらい、演劇部か何かでお芝居をやったりもしてたようです。

その演目が「南の哀愁」です。
宝塚の有名な作品の一つで、今までに何回も何回も再演されています。
調べてみたら初演は昭和22年なので、時代的に、多分、その初演の時のプログラムを送ってもらったと思います。

今は違いますが、以前は宝塚のプログラムには脚本が全部掲載されてました。
その脚本を元にして、文化祭か何かでミュージカルをやったそうです。

お芝居のストーリーやセリフは脚本があれば分かるんですが、問題は歌の部分です。
楽譜も、私が観に行ってた頃は売ってたんですが、今はないみたいですね。
というか、脚本や歌集はまた別の本として出しているそうです。
買ったことはありませんが。

当時すでに歌集を売っていたのかどうか分かりませんが、母の手元に届いたのは脚本だけだったので、曲は音楽の先生に作ってもらうことになりました。

「だから南の哀愁に2つの音楽がある」

と、母が自分達の「南の哀愁」の歌も歌ってくれてたので、私にも2つの「南の哀愁」があります。

オリジナルの宝塚の方は、

「み~なみの~しま~、み~わくのしま~、さ~よ~うる~わし~、わ~が~た~ひち~」

みたいな音楽ですが、母達のは、

「みなみのしぃま~~~、みわくのしぃま~」

みたいな感じ。

とても全部は覚えてませんが、今でも「南の哀愁」と聞くと2つの音楽が浮かびます。

どんなだったのかなあ。
もしもタイムマシンがあったなら、母達の「南の哀愁」をこっそり観に行きたいものだ、と思ってます(笑)

シネマは五番街~「ひよっこ」の音楽から

毎朝、朝ドラの「ひよっこ」を楽しみに見ています。

その中で、少し前から時々流れる音楽を耳にして、

「あ、これはあの歌を下敷きにしてる」

と、思った音楽があります。

主に、米屋の娘さんが主人公の幼なじみに恋をして、色々と笑えるようなことをやったりする時に流れる音楽です(笑)

ボサノバで、最後に「あなたが好き」みたいな歌詞が入る歌、と言ったら「ああ、あれか」と思う方もいらっしゃるかも知れません。

この歌の原曲と思われる曲を、ずっとずっと昔、宝塚雪組公演「Non,Non,Non」で初めて耳にしています。

妖精達のいたずらで、婚約者のいる女(高宮沙千)が知り合ったばかりの男(汀夏子)と一緒に過ごし、

「明日にはパリに戻って結婚するのに、なぜこんなところでこの人と」

と考え、男の方も、

「どうしてこんなに惹かれてしまったのか」

と、戸惑いながらもお互いの想いを抑えきれない、そんなシーンで2人が歌ってた曲です。

シネマは五番街、名もない恋人と誰かのさよならが映されてる
ワインはパリ育ち、グラスは恋の色、昔の面影が浮かんでいる

束の間だけの時が流れ行く、今は二人だけの

ラジオは愛を告げ、時計は夢を消す
誰かの泣き顔が見えるでしょう

こんな歌詞でした。

実家の押し入れを探ったら当時のプログラムがあるんですが、ちょっとすぐには出せないので間違えてるところがあるかもですが、ほぼ間違いはないと思います。

子供は物覚えがいいもので、1回聞いてほとんど覚えてたんですが、当時の宝塚のプログラムには脚本が載っていたので、それで記憶の補填もしていたのかも。

それに、当時は土曜日の夕方6時から、30分に編集してですが、宝塚の全部の公演の放送もありました。
それも見てましたし、レコードも買った気がするなあ。
なのでよく覚えてるんです。

その元の歌のことを知ったのは大学の時でした。
大学に入ってからエレクトーンを始め、シャンソン、ジャズ、フュージョンなんかをよく弾いていたんですが、その時に出会いました。

「あ、これ、宝塚のあの好きな曲!」

元歌のタイトルは、

「さよならを教えて」

で、歌っていた人は、

「フランソワーズ・アルディ」

でした。

ずっと、

「あー歌のタイトル思い出せないなあ」

と、気になって気になって、

「ひよっこ オマージュ 歌」

で調べてみたら見つかりました(笑)

歌うのも好きで、エレクトーンで弾くのも好きでした。
前奏と間奏の「タンタタ、タタン、タタンタタンタン、タンタタタタン、タン、タタン、タタン」のボサノバのリズムが良かったなあ。

思いもかけないところで思いもかけない人に出会ったような、そんな気分で「さおりのテーマ」と勝手に名付けたこの音楽が出てくるのを楽しみにしています。