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レースの手袋と祖母 ~ひよこの聞き語り(2)

先日、母の父のことを書いてから(「とと姉ちゃん」を見て祖父を思う)、もっと自分の祖父母やおじおば達、一族の人達のことを書きたいという思いが強くなりました。

ずっとずっと前から思ってはいたんですが、なかなかそういうことって書きにくかったんですよね、なぜか。
ただ、高松のおじさんに、私がそういうことを一番知ってると言われて、自分でも忘れてしまわないように書きたいと思うようになりました。

もっともっと昔から、まだ母がいた頃から書いていたら、もっとたくさんのことが聞けたのにどうして書いていなかったのか、と悔しく思うぐらいです。

それと、私は元々父親ともよく話をしてきた方だと思うのですが、それでも、母ほどは話していなかったらしく、母が亡くなり、父といる時間が長くなって初めて、「そういうこと初めて聞いた」と思うようなことが出てきました。
男性ってあまりそういう話をしないからかなあ?
そういうことも、時々、思い出したようにここに書くことでとどめていけたら、と思いました。
自分でメモでもしようと思っても、なかなかできないんですよね、「いつでもできる」と思ったら。

今日はまず母の母、私の祖母のことを書きたいと思います。
先日書いた祖父の妻のことですね。

祖母は、神戸で生まれ育ったんですが、その母、つまり私の曾祖母は明石の造り酒屋の娘で、神戸に嫁いだらしいです。
母がまだ子供の頃に曾祖母は亡くなったんですが、5人の娘がありました。
その、下から2番めだったか3番めだったかが私の祖母です。

祖父は、先日も書いたように苦学の末にそこそこの地位に着いた方で、紳士と呼んでいいような方だったんだそうですが、祖母はそれでいくと「働き者」だったそうです。

こんなエピソードを聞いたことがあります。

ある日、どなたかがお歳暮だかお中元だか、もしくはまた何かの折のお届け物だかに家に来られたそうです。

「あの○○さんの奥様だから、さぞかしきちんとした奥様なのだろう」

と、思ったのかどうかは分かりませんが、残念ながら祖母はそんなきれいな格好できちんと座って刺繍なんぞするような奥様ではなく、いつも動きやすい格好でこまこまと働いているようなタイプでした。

そうしたらその方、祖母のことをお手伝いさんだと思ったみたいで、

「これを奥様に・・・」

と、祖母にお届け物を渡したら、祖母も祖母で、

「はい確かに奥様に渡しておきます」

と、受け取ったんだとか(笑)

訂正するのもめんどくさかったんでしょうね。
さすが私の祖母だ(笑)

小さい包みを開けてみたら、入っていたのはレースのきれいな手袋。
まさに貴婦人の持ち物ですね。
祖父の妻なので、そういうのが似合うご婦人だろう、とその方は思ってくださったのでしょう。

その手袋を見て祖母が言ったのは、

「こんなに穴がいっぱい開いた手袋もろても炭もつかまれへんし・・・」

だったそうです(笑)

その後、その手袋がどうなったのかは分かりませんが、笑い話として母から聞いた話です(笑)